Poor Japanese 1万kmの旅

poor (貧乏)な日本人夫婦が,
poor white さん達の住むと言う Central Appalacia へ向かいましたが、
長雨に祟られて poor (可哀相) な旅となってしまいました。  
この旅のKey Wordは、poor と 長雨の他には、行ったり来たり、夜半の宿探し、気の向くまま です。
初めての長距離ドライブでとんでもない旅になりましたが、
それも今ではアメリカだからこそ出来たことと思えますので、良い思い出になっています。

Ex.65
Ex.65は、北はChicagoに近い位置にあるMichigan湖の南端(in Indiana)と、南はMexico湾に面した Mobile, Alabama を結ぶ高速道路です。途中Kentucky,Tennessee州を抜け、合計4州を縦断する物流の大動脈です。
 写真左は Indianapolis,IN. 郊外で昼食に立ち寄ったCracker Barrel の駐車場にあったApple Blossomsで、さすがにIndianapolisまで南下すると暖かい!と、満開の花に感激して撮りました。Cracker Barrelは、old country style のドライブインで、最初に入ったお店の感じが良く好感を持って以来、旅行に出た時にはBarrel とか黄色いお店(看板の色)と呼んで親しんでいたチェーン店です。
 そして夕刻 Louisville,KY. に到着。しかし夕刻と思っていたのは私達だけでした。この日は、4月の第一日曜日でサマータイムの開始日、その上Luisville は easterntime zone(シカゴよりも1時間早いtime zone) だったのです。私達の時計とは合計2時間の時差があることを、かなり遅くなってからフロントに確かめて知ったドジ二人、出発時間も毎度の事ながら旅に出るには遅過ぎるくらいの時間だったせいもあり、危うく夕食を取り損ねるところでした。Luisville は Indianaとの州境を流れる Ohio River 沿いの都市で、水運で栄えた街、アメリカにしてはチョッとおとなしい街という印象を持ちました。(日曜日の夜、遅かったせいかも知れませんが) 


 Mammoth Cave National Park                                 
 Ex.65を南下し、マンモスケーブ国立公園にやってきました。ここはChicagoと同じcentral time zoneです。どのtime zoneに属するかは都市の自治に任されているので、この辺りは時間 が頻繁に変わります。単一のtime zone で生活している日本人にとっては不思議な感じがします。
Mammoth Caveでは tour に参加すれば、洞窟の中に入れます。私達が参加した入り口付近だけの簡単な見学コースから、炭鉱夫の様な格好をして洞窟を長時間潜り歩く本格的な探検ツアーまで10種類以上のコースが用意されています。ツアーはVisitor Center脇の坂を下ったところにあるHistoric Entranceから入りますが、その前にrangerの注意や説明を聞きます。ここで私は大恥をかきました。レンジャーのお兄さんがツアーの参加者に「皆さん、どこから来ましたかー?」の問に「テネシー」「ミズーリ」・・・の声が上がり、「イリノイはないな」と思った私はここは全員参加型のアメリカだから!と思わず参加したくなり「イリノイ!」と叫んでしまったのです。が、Illinoisはイリノイに非ずだったようで、何だか分からなくて困ったレンジャーのお兄さん、外国人が多い「ニューヨーク?」と適当な返事。懲りずに「イリノーイ!」と再び叫んでも通じず、そばに居る主人は赤面したまま無言。その時勘の良いアメリカンが「Illinois!」と助け舟を出してくれました。「ユリィニョーィ」のような発音だったみたいです。No Englishの身の程をわきまえ、二度と人前で発言すまいと固ーく決心した次第です。
 さて、恥はかき捨てて洞窟の中へ入場しました。多岐に渡っている洞窟にはそれぞれ名前が付いているのが愉快です。Entrance付近の大通りはBroadwayです。鉱山の跡などを見学しつつ進んで行き、ちょっとした広場に出ました(右から2枚目)。地表から4m位下にあるここの名はMethodist Churchで、この最短のツアーの終点です。このマンモスケーヴはまだその全容が解明されておらず、約500q以上先のシカゴまで繋がっているとの説も有り、世界一の長さを誇る洞窟だそうです。どうしてこんなに長い洞窟が出来たのか?地球の謎が身近に、そしてそれにちょっと触れる事ができたような感じがする場所でした。
 またこの国立公園の見所は地下だけでなく、地上も森に包まれた自然が豊かなところです。walkingの為の時間もあると良かったなァとつくづく思いました。


Daniel Boone National Forest
Mammoth Cave N.P.を出てEx.65 からTE.州に入りました。 ScenicRouteと称するHwy.52をDaniel Boonの森を目指して東へ向かいました。楽しい模様の岩肌を見ながらのup down。山坂があるのは、何となく日本の風景に似ていて好感が持てますが、期待したほどのscenicではなく、どこまで行ったら景色が良くなるのだろうか?ひょっとしたらこの辺りのscenic season は紅葉の時期なのかな・・・と思っているうちにHwy.52の終点。又KE.州に戻ってHwy.92をひた走り、Boonさんの森に差し掛かった頃にはとっぷり日が暮れました。右の写真を撮った時刻は大体8時ごろだったと思います。ハイウェイとは言っても深い森の中を走る街灯もない道路、自分達がどの辺りに居るのかも全く分からないので、後どのくらい走れば街に着くのかも見当がつかないし、集落があったところで宿があるとは限らないし、ひょっとしたら今日は野宿かも・・・!と、それはそれは心細い思いをしました。結局ここから約1時間ほど走たっところで渓流釣りなどのリゾート施設がある街に出て、人心地着きました。未だに名も知らぬ街ですが、ここでたった一軒のMOTELに転がり込み、でも新築の建物でしたので、安い宿泊代にも拘らず結構快適に過ごせました。夕食はG.S.のインスタント・ピザしかなく情けない限りでしたが、今から思えばアメリカの広さを実感していなかった自分達の甘い行動がいけなかったのですね。


Hyw.92 → Ex.75 → Ex.64
 雨音で眼が覚めました。東南部の広い地域に雨雲が居座り、春の長雨の始まりでした。記録的な豪雨となった地域もあり目的地の変更を余儀なくされました。旅先での雨降りは気分が沈みます。
 雨の Hyw.92 を東へ進み、Ex.75沿いの街 Williamsburgに出ました。古い寂れた田舎町でたった1軒の食堂にて朝食。奥にはビリヤード台があり、この街では唯一近所の人の社交場になっている場所のように見受けられました。上段右の写真の家は、紅白の春の花に彩られた一軒家が素適だったので、アメリカの地方にある旧家とはこんなものかとも思い、思わず撮りました。そしてEx.75のインターチェンジへ。高速道路は殆どの場合downtownから少し外れた郊外を通っているのですが、ここではインターチェンジの周囲の方が賑やかで、downtownが引っ越してしまった様な逆転現象が起きていました。
 激しく降り出した雨、予定ではEx.75を南下してGreat Smocky Mts. N.P.に行くつもりだったのですが、危険を避けて高速道路を当てもなく北上し、Bereaに立ち寄りました。ここは手工芸を専門に教えるBereaCollegeを中心にして一度は寂れた町を再興した小さな小さな町です。このcollegeで学ぶ人たちの手工芸品を売っているお店をみて歩き、鳥の巣箱と、Boone Tavern Hotelのクロスステッチの図案を買い、街を後にしました。(cross stitchを参照して下さい)
 さてこの先どこに行ったら良いのでしょう?散々迷った挙句、持参したガイドブックやドライブインで貰って来たカタログを参考に Ex.75 → Ex.64 を東へ進み Mount Sterlingへ。裁判所(下段中央)などがあり重厚な雰囲気でしたが、大した産業も無いらしく、downtownに活気が殆ど感じられない寂しい街でした。
 結局また少しEx.64を西に戻り、Lexingtonに1泊。LexingtonはKY.州では一番大きく歴史ある都市です。馬と言えばケンタッキー州、その中心的な都市らしくKentucky Horse Parkでは乗馬も出来ますし、また馬に関する博物館もあります。downtownにはオペラハウスや裁判所(下段左の写真)などだけでなく個人の家も古くて趣きのある建物が並んでいて、雨が降っていなかったらこの街並みを観ながらの散歩を楽めたのに・・・と思い残念な気がしました。ここではガイドブックに載っていた宿を訪ねて行き泊ったのですが、経営者が変わってしまっていて本の解説とは大違い。天候も宿もついていないと、ガッカリでした。