2009/6/19
 あじさいの里 白鳳庵



 横浜市瀬谷区に約50種、3000株の紫陽花が植わっているお庭をこの時期だけ好意で開放しているお宅があると聞き行って来ました。手入れの行き届いた庭園には直径30p以上もあるような大きな花や萼紫陽花、赤・白・ピンク・紫…花の種類の区別がつかない程たくさんの紫陽花が咲いていました。名所と言えば観光客が集まってしまうので、どうしても静寂までは楽しめませんが、梅雨時に林に囲まれたこの静かな庭園に佇むと、鬱陶しさを忘れて爽やかな気分になれますね。ただ、薄暗い庭園の中に一人で入って行くのは、少々度胸が要りましたが。


 こちらのお宅で次に注目すべきは、門柱です。 
この門柱は1873年に横浜税関の門として作られ、のちに神奈川県庁の正門として使われていたものですが、その庁舎が関東大震災で大きな被害を受けて昭和3年に現在の神奈川県庁(キングの塔)に建て替えられた時に、払い下げられたものだそうです。当時は金属の門扉が付いていましたが、第二次世界大戦中に供出したため無くなってしまいました。現在の門扉は、1973年・門の100周年記念に同じ形の物を再建したものだそうです。
 そして門の右の方に祠がありました。何が祀られているのでしょう?



 相鉄線・瀬谷駅から10分ほど瀬谷柏尾道路を歩くと、瀬谷図書館前の信号のある交差点から次の信号のある交差点まで、古木・大木の林に囲まれた一角です。この瀬谷地区はせせらぎが多く流れ、紫陽花が多く自生していたところだそうです。あじさいの里にも小さなせせらぎが流れていました。紫陽花と共に古木・大木の林も末永く残して欲しいとそんな風に思いました。
 また、広さ約6000坪もあるこのお屋敷は、かつて製糸工場があった所だそうです。門をくぐると、お蔵が何棟も建っているのはその名残?その昔は生糸を保管していた蔵なのかも知れません。庭園内にあるお茶室(一般には開放されていません)の名が、白鳳庵だそうです。


 
 あじさいの里 白鳳庵  横浜市瀬谷区本郷2-7-7