2009年2月15日
 京王百草園                                             

 百草園の由来は、江戸時代中期・亨保年間に小田原城主大久保候加賀守忠増の室・寿昌院殿慈岳元長尼が徳川家康の長男・岡崎三郎信康追悼のために奈良時代に創建されたと言う「松連寺」を再建し、それに伴ってつくられた庭園にあります。松連寺は明治初期に廃寺となりましたが、地元出身の生糸商人が庭園と家屋を復興し「庭園・百草園」として一般に開放。その後昭和32年に京王電鉄に所有が移管されました。
 約80種800本の梅で有名な百草園に行く機会に恵まれました。3日ほど前に春一番が吹き、この日まで春真っ盛りの陽気でした。そのお陰で、早咲きの梅から遅咲きの梅まで、多くの種類の梅の花を楽しむ事が出来たのは嬉しい想定外(地球の温暖化は気になりますが)。
 もう一つ想定外だったのは、駅から徒歩10分の殆どが急坂の上り!入口に辿り着いた時にはヘロヘロでした。それにも拘らず、入園者には結構お年寄りが多かったのには、驚きでした。駐車場は無いので、近くの駅からからタクシーで来たのでしょうか?しかし丘陵地の斜面を上手く利用した庭園なので、人が多くても平地よりは混雑が気にならない様な気がしました。一長一短あるものですね。

 

 頂上付近からの風景
左上; 茅葺きの屋根の建物は、天平の昔に栄えたという松連寺の跡に佇む「松連庵」です。
     今は御座敷でお蕎麦を食べたり、お茶を飲んだりする事が出来ます。

右上; 心字池の向こう側の建物は、茶室の「三檪庵」です。京王百花苑に建てられた本格的な茶室ですが、
     1999年にここに移築されました。この日はお琴の演奏会が開かれて、目も耳も楽しむ事が出来ました。
     雪囲いされている松もなかなか風情があるものです。
下;   ちょっと霞んでいますが、新宿副都心の高層ビル群が見えます。東京タワーも見える事があるそうですが…。

 寿昌梅

 階段を上がって行くと、広場に百草園で一番有名な寿昌梅があります。寿昌院殿慈岳元長尼が松連寺の再建の時に自ら植樹したと伝えられています。樹齢300年近くになる梅で、威風堂々とした存在感を感じます。今は松連庵の前にありますので、昔は本堂の前に植樹されたのでしょう。
   蓮久

←松連庵の脇に立つ大木です。満開の紅梅の花、カメラのレンズの中には収まりきれません。この日一番人気の見応えでした。

↓松連庵の御座敷脇の小庭にあった鉢植えの小さな木です。こちらも満開、一つ一つのお花を見るにはこちらの方が最適。

 競 演
 
 ほんの一部ですが、百草園の梅の花をお楽しみ下さい。梅とか牡丹とかどうしてこの名前がついたのか?味わい深い名前が付いていますね。

思いのまま

月宮殿

桜鏡

満月枝垂れ

鴇の羽重

緑萼枝垂れ
←鴛鴦(エンオウ)
 鴛鴦はおしどりとも読みます。名前の由来は、一つの花に実が二つ付く事から鴛鴦なのだそうで、夫婦梅とも呼ばれています。実のなっている状態を見てみたいですね。

       塒出の鷹(トヤデノタカ)

 塒出の鷹とは、夏から秋、鳥屋の中で羽を替えさせた鷹を、鷹狩りの訓練のため鳥屋から出すことを意味するそうですが、どうしてこの梅が塒出の鷹と名付けられたのかは不明です。

舞扇

白加賀

藤五郎

玉牡丹

千鳥枝垂れ

芳流閣

白鷹

未開紅

清流枝垂れ

 梅の他にも初春の花が満開です。
水仙、万作、福寿草、寒咲きあやめ 

 MOGUSA FARM
  百草園から往きに上った急坂ではなく、だらだら坂を下りて行くと ”MOGUSA FARM”があります。優しい目をした仔牛がいる牛舎を通り過ぎ、川崎街道を聖蹟桜ヶ丘の方向に少し歩くと、この牧場のミルクで作ったアイスクリーム屋さん”ARITIGIARNO”があります。初夏の様な陽気の中を歩いて暑かったので、アイスクリームは殊のほか美味しく感じました。