牛島の藤                                               
 新日本名木100選に「藤」で唯一選ばれた日本最高樹齢の藤の古木があると知り、埼玉県春日部市まで行って来ました。
 樹齢1200余年の最古木の藤は、山藤の変種だそうで、房は長いもので2m、根回りは10uに達するそうです。パンフレットによれば弘法大師のお手植えとも言い伝えられ、また園内の石碑によれば長患いの娘の病気平癒のために蓮華院に寄進された藤とも言われています。また蓮華院は明治7年に廃寺となったため、その後この土地の所有者も色々変わりました。現在は藤花園という会社の所有となっていて管理運営され、藤の花の季節(例年4月下旬〜5月上旬)のみ開花状況に合わせて開園しています。
 樹齢1200年・800年・600年と3本あるここの藤の花を観に2度足を運びました。1度目は開園早々の4月23日、毎年見頃は子供の日前後とHPで知ってはいたのですが、自宅の周囲の藤が満開だったので、つい5分咲き位にはなっているかと甘く考えてしまいました。この日は、目的の古木は2分咲き位で棚がうっすら藤色に見える程度でしたが、「だるま藤」が丁度見頃を迎えていてそれは!それは!見事でした。そして次は連休明けの5月7日、このままではこの藤に関して自分の中で尻切れトンボになってしまって完結しないと思い、もう一度!と片道2時間の遠出を決意したのです。見頃を3日ほど過ぎてしまっていましたが、それでも十分藤からは神々しい雰囲気を味わえました。園内はGWを避けて訪れた人たちで溢れかえっていて、人が入らないように写真を撮るのはほとんど不可能な状況でした。GWの最中はどんなに凄い人出だったかと想像しています。
 肥料は日本酒のメーカーから提供される酒粕を撒いていて、とても有効だそうですが、それでも樹齢が樹齢なので段々房の長さも短くなり、色も衰えて来ているとの話をボランティア・ガイドさんから聞きました。環境汚染の影響もあると思いますが、心配ですね。
 一つ気になることが・・・。園全体にC○L○の赤いベンチやパラソルが置かれているのが目につき、せっかくの藤や回遊庭園の雰囲気をぶち壊しにしているような気がしてなりませんでした。年配の来観者も多いですが、さほど広くない園ですので、ベンチは休憩所にまとめて置いても十分ではないかと思われます。


 山藤
4月23日  5月7日
 1200余年の古木
 2008年最高の日は5月4日だった→
そうです。花弁が舞い始めていました。
↓日当たりの良い棚の上だけ開花、まだ房が下がっていないので、棚下の見通しが良いです。
 築山の上から1200年と600年の藤
 藤棚の上は葉が繁り、新緑に染まって→います。花の観賞は棚下の方が良い感じです。
↓棚の上の方でしか咲いていないので、築山からの
眺めが良いです。
 600余年の藤
 1200年の藤の子藤で隣にあり、棚を共有しています。親藤の半分の樹齢ですが、600年と言えば十分古木ですので貫禄があり、説明を受けるまで親子どちらがどちらか見分けがつきませんでした。
 800余年の藤
 これも最高齢の藤の子藤です。他の2本の藤とは少し離れてあり、近くにだるま藤が植えられています。


 だるま藤 
 この藤は樹齢80余年だそうです。房は長く垂れずに、大き目の花がこんもりと咲き存在感があります。最初は白花のみだっただるま藤に、紫色の花の藤を接ぎ木したところ、色の濃い紫色の花が咲く方が勢いが良くなってしまい、藤棚は7割位紫色の花で埋まっていました。
 地元春日部市の花は牛島にちなんで「藤」ですが、駅周辺の商店街のアーケードは房が垂れないこの だるま藤 だそうです。


樹齢30年の山藤
 若いので4月下旬に見頃を迎えていましたが、房の長さがまだまだ短いです。
池の脇には600年の藤が根を伸ばし、
子藤が何本もありました。


黄しょうぶと藤
この藤花園は回遊式の庭園です。
藤の他にも見せ場があり、
ともに樹齢は600年位の赤松↓や黒松→は、盆栽仕立て。
また、右の写真は富士山の火山岩で作った人工の滝。今は水は流されていませんが。